神崎卓征 森下裕介
「一票の格差」が最大で3・03倍となった7月の参院選をめぐり、弁護士グループが「投票価値の平等を定めた憲法に違反する」として、岡山選挙区の選挙無効を求めた訴訟の判決が8日、広島高裁岡山支部であった。河田泰常裁判長は「合憲」と判断し、原告側の請求を棄却した。
二つの弁護士グループが全国14高裁・高裁支部で計16件起こした一連の訴訟で11件目の判決。これで「憲法違反」が1件、「違憲状態」と「合憲」が各5件となった。高裁判決は15日までに出そろい、最高裁が来年にも統一判断を示す見通し。
最高裁は、最大格差が5・0倍、4・77倍だった2010年と13年の参院選について、違憲の一歩手前の「違憲状態」と判断した。一方、定数の「10増10減」や、島根と鳥取、徳島と高知での合区採用で3・08倍に縮まった16年、3・00倍となった19年の参院選については「合憲」とした。
ただ、今年7月の参院選では3・03倍に広がった。単純計算すれば、定数1あたりの当日有権者数が最多だった神奈川選挙区の一票の価値は、最少だった福井選挙区の「0・33票」分になった。原告側は「国会の格差是正に向けた姿勢は失われた」と主張。被告の岡山県選挙管理委員会側は「格差は合憲判決だった19年とほぼ同じだ」などとして請求棄却を求めていた。(神崎卓征)
選挙区ごとの人口の違いから…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル