大村秀章・愛知県知事に対するリコール署名の偽造事件で、名古屋地検は29日、運動団体事務局長で元県議の田中孝博容疑者(60)=同県稲沢市=と、次男で塗装工の雅人容疑者(28)=名古屋市千種区=を地方自治法違反(署名偽造)の罪で起訴した。孝博容疑者から佐賀での署名偽造作業を請け負ったとして、名古屋市の広告関連会社の山口彬・元社長(38)も在宅起訴した。
起訴状によると、孝博容疑者らは共謀し、昨年10月下旬ごろ、佐賀市でアルバイト3人に指示し、愛知県内の有権者の氏名計71人分をリコール署名簿に書き写させ、偽造したとされる。
関係者によると、孝博容疑者は黙秘している。雅人容疑者は「仮提出で、いつでも署名簿を取り下げられるから罪にはならないと思った」と犯意を否認しているという。
一方、地検は同法違反容疑で逮捕された田中容疑者の妻(59)と、事務局の会計担当者(55)については処分保留で釈放した。
事件は、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」がきっかけとなった。美容外科経営の高須克弥氏らが呼びかけ、名古屋市の河村たかし市長が支援した。県選挙管理委員会は今年2月、提出された約43万5千筆の約83%に無効の疑いがあるとの調査結果を発表。刑事告発を受けた県警が捜査していた。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル