西田有里、森下友貴
特殊詐欺の「受け子」として高齢の男性から現金50万円をだまし取ったとして、埼玉県警は東京都墨田区墨田3丁目の無職、松村采淳容疑者(75)を詐欺の疑いで逮捕し、26日深夜に発表した。受け子として高齢者が逮捕されるのは珍しく、県警は経緯を調べている。松村容疑者は「荷物を受け取ったが、中身がお金とは知らなかった」などと供述しているという。
狭山署によると、松村容疑者は26日、別の人物と共謀し、埼玉県入間市の男性(79)の自宅に弁護士などを装って「息子さんが盗撮をして警察に逮捕された」「保釈金が350万円必要です」などと何度も電話をかけ、市内の私鉄の駅に来るよう要求。駅のロータリーで、男性から現金50万円を詐取した疑いがある。
こうした被害が後を絶たないため、駅で警戒にあたっていた警察官が、男性から封筒を受け取る松村容疑者を目撃し、任意で事情を聴いていた。県警は松村容疑者が受け子役だったとみて、関与の経緯を調べるほか、事件の首謀者や電話をかける「かけ子」の特定を進める方針。(西田有里、森下友貴)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル