板倉大地、布田一樹
2018~19年に女性7人に暴行したなどとして、強盗・強制性交等、強制わいせつ致傷などの罪に問われた福岡市南区、無職今泉成博被告(44)の裁判員裁判の判決が29日、福岡地裁であった。溝国禎久裁判長は懲役16年と懲役25年の判決を言い渡した。検察側は合わせて懲役40年を求刑していたが、判決は求刑を上回る計41年という異例の長期刑となった。
判決によると、今泉被告は18年7月~19年12月、出会い系サイトで知り合った女性7人を「俺が今電話したら暴力団が来る」などと脅し、福岡市の山中で手足を縛って性的暴行を加えるなどしたほか、現金計約220万円を奪ったとされる。
刑法は、同じ被告の複数の罪はまとめて判決を出すと定め、有期刑の上限を30年としている。ただし、複数の事件の間に禁錮刑以上の確定判決を受けている場合は、別々に判決を出す。被告は別の事件で19年10月に執行猶予付きの有罪判決が確定。このため、検察側は判決の前後で起こした事件についてそれぞれ懲役15年と懲役25年を求刑していた。
溝国裁判長は「被害者らの受けた肉体的・精神的苦痛の深刻さは想像を絶する。刑事責任は極めて重い」と指摘。言い渡し後には「長い期間で自分がやったことを改めて考えてもらいたい」と話した。(板倉大地、布田一樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル