罪に問われた人の社会復帰をサポートする「よりそい弁護士制度」が、兵庫と愛知、北海道で始まっている。出所者の身元引受人や就労先を探したり、債務整理をしたりして、再犯を防ぐ取り組みだ。約30年前に大分で始まった当番弁護士制度のように、全国に広がるか。
窃盗容疑で逮捕され、出所すると郷里の友人に連絡し、覚醒剤に手を出す。愛知県の50代男性は、そんな年月を重ねてきた。
覚醒剤取締法違反罪で有罪判決を8回受けた。2019年6月に仮出所し、更生保護施設へ。この施設から愛知県弁護士会に「よりそい弁護」の要請があった。
派遣された杉本みさ紀弁護士は、男性を郷里から離れた別の市役所窓口に連れて行った。
「緊急保護を求めます」
だが、市の担当者は「なぜうちに」と難色を示した。男性の所持金は4万円ほどで、仕事はない。いずれお金がなくなれば、盗みを働くかもしれない。担当者を説得し、アパートや働き先を探した。
男性は取材に「親身になってくれる弁護士がいて本当に助かった。おかげで安定した生活を送れている」と話す。
社会復帰を支える「よりそい弁護士」。量刑に影響を与えたとみられるケースも出始めています。「弁護士も覚悟が問われる」という声も。記事後半で紹介します。
杉本弁護士がもともと手弁当…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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