少子化が進み、学校単位での吹奏楽部の存続が難しくなるなか、青森県の津軽地方で2市1町にある小学校8校の児童が学校の垣根を越え、合同チームをつくっている。今年9月には設立2年目にもかかわらず、東北吹奏楽コンクールに出場。音楽を通じて地域が元気づくことへの期待も高まっている。
立佞武多の館で練習
「もっと息、しっかり吹き込んで」「ここの旋律、ホルンの音が聞こえてくるともっとかっこいいよ」
10月中旬、五所川原市の立佞武多の館であった「西北ジュニアウインドブラス」の全体練習。南小学校の教諭で、指導にあたる鈴木伸一郎さん(54)の言葉を、約40人の子どもたちが真剣なまなざしで聞きながら、演奏していた。
子どもたちの前に置かれた譜面台には、学校名と学年、名前が書かれたプレートがかかっているが、学校名はいろいろ。
それもそのはず。
西北ジュニアは、金木小と栄小、つがる市の森田小の吹奏楽部を中心に、津軽の西北地区にある小学校8校の児童が合同でつくる楽団だからだ。
結成の背景には少子化がある。20年ほど前までは各校に30~40人いた部員は、児童の減少に伴い半数以下に。単独でのコンクール出場が難しくなってきたため、鈴木さんらが保護者に呼びかけて、昨年4月、合同チームをつくった。
「大人数でいろんな楽器を一緒に演奏するのは、成長するうえで貴重な経験になる」と話す。
全体練習できないハンデを乗り越えて
合同チームだからこそ吹奏楽を始められた子どもも。学校がばらばらの子どもたちがどう練習してきたかを取材しました。
ただ、全体での練習は、学校…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル