柏樹利弘
愛知県岡崎市が市中心部の児童施設「太陽の城」跡地などに建設を予定するコンベンション施設をめぐり、市は28日、事業者側から建設に向けた協議の中止を通知されたと発表した。コロナ禍や建設資材の高騰を受けて、事業は仕切り直しを余儀なくされた。
事業者は、地元の酒部建設を代表とする特別目的会社「岡崎リバーリンク」で、通知は21日付。リバーリンクの解散も決まった。
2020年2月に事業者を選定した際は、不動産大手のスターツコーポレーション(東京)を代表企業とするスターツグループが次点交渉権者だった。市は今後、スターツ側の意向を確かめる。
この施設は当初、整備や管理費用が約80億円と見込まれ、市と事業者側は23年度の開業を目指して協議していた。20年10月の市長選では、建設見送りを主張した中根康浩市長が初当選した。市は、いったんは事業の中止を事業者側に申し入れたが、その後、中根市長が方針を転換。市民の意見を取り入れる形で計画を変更した上で、建設に向けた協議を再開する意向を示した。
この間、建設資材の高騰に加え、コロナ禍によるコンベンション需要の落ち込みもあって、「事業を進める判断が難しくなった」とする事業者側の希望で事業の中断が続いていた。
中根市長は「揺れ動く社会環境の変化の中、事業者なりの判断基準があろうかと思われるので、受け入れざるを得ない」などとコメントを出した。(柏樹利弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル