生活保護を受けている高齢女性を老人ホームに入居させているように装い、生活保護費をだましとったとして、埼玉県警川口署は8日、施設長だった佐藤篤容疑者(61)=住所不定、職業不詳=を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。佐藤容疑者は生活保護費の一部を受け取ったことは認めているものの、「受給したお金は全て女性のためで、だましとったわけではない」と話しているという。
署によると、佐藤容疑者は県内の女性(81)が施設に入居しているかのように装い、5月2日~9月5日、同県川口市役所から5回にわたって生活保護費の一部である住宅扶助費計28万6200円をだましとった疑い。
女性は2019年から生活保護を受けており、今年10月4日に市役所から「連絡が取れない。老人ホームに入居すると連絡を受けていたが、確認したところ入っていない」と署に連絡があったという。署員が7日夕、さいたま市大宮区内のインターネットカフェで衰弱した女性を発見。数時間後、近くにいた佐藤容疑者を見つけたという。
女性は入院中だが命に別条はなく、数週間は同じネットカフェにいたとみられる。佐藤容疑者は調べに対し、自ら市役所に住宅扶助費を受け取りに行ったと話しているといい、署は2人が知り合った経緯などを調べている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル