伊藤隆太郎
福岡県うきは市の女性が15日から個展を開く。95歳で、初めてだ。場所は九州一の繁華街、福岡・天神のギャラリー。50代で始めた山水画や美人画など20点近くを披露する。地元の懐かしい農村風景もあり、「たくさんの人にご覧いただきたい」と楽しみにしている。
女性は足立葉子さん。16年前に亡くなった夫と果樹園などを営むかたわら、久留米市や大分県日田市の教室に通い、日本画を楽しんできた。
当初は忙しい農作業の息抜きだったが、次第に本格化し、60歳を過ぎると福岡県展などで入選を重ねた。
美人画などはお手本をもとに描くが、自分なりの工夫も。長女の上杉博美さん(69)は「好奇心が旺盛で、人まねが嫌い。自分だけの絵になるまでやめない」と話す。描いた地蔵像が近くの寺に奉納されるなど、地元では有名人だ。
ただ、最近はやや体力が落ちて絵筆を取る回数が減り、新作を描くのは難しくなった。家族は「最初で最後の個展になるかも」と思い立ち、初の個展開催へ足立さんの背中を押した。
20日まで、福岡市中央区天神2丁目の新天町商店街「ギャラリー風」で。期間中は毎日、在廊する予定だ。(伊藤隆太郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル