コロナ禍の始まりから2年。先行きが不透明な中、人々の不安を映すように、業界やテクノロジーの未来を予測する本が売れています。
未来予測は学術研究としても行われています。京都大「こころの未来研究センター」の広井良典教授は、人工知能(AI)を使って2050年を予測しました。日本社会が30年後も持続可能であるためには、何が必要か。AIが出した答えは――。
2万通りの未来
――どんな予測をおこなったのですか。
将棋の藤井聡太さんが数十手先を読む姿を想像してください。どのコマを動かすかで、勝負のシナリオはいくつも枝分かれしていくと思います。
わたしの研究グループが行ったシミュレーションはそれに近いです。2050年までに日本社会はどう変化していくか。変化のシナリオを予測しました。人口減少が改善する場合、農業が衰退する場合、幸福度が上がる場合など、シナリオは2020年を出発点に無数に枝分かれし、2万通りの未来が示されました。
コロナ禍によって、職場でも、家でも、デジタル化が一気に進みました。技術革新は、私たちの生活を幸せにするのか。そのためには何が必要なのか。第一線の研究者たちの論考をお届けします。
――どんな結果が出ましたか。
日本社会が30年後も持続可能であるためには「分散」が重要だということが見えてきました。
――どういうことでしょうか。
人口や雇用、幸福度などを改…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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