AIに奪われる仕事 人間の皮を被った口まねにできぬことは

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編集委員・近藤康太郎

記者コラム「多事奏論」 編集委員(天草)・近藤康太郎

 田んぼで独り、途方に暮れている。災害級の暑さの下、水が足りない。雑草を払い、あぜを掘り返して水を入れ、モグラやカニのあけた穴を足で踏んでふさぎ、全身泥みどろ汗みどろ、足指の血豆が破れ、それでも水がたまらない。

 「なぜだ? なにが悪いんだ!」

 部屋に帰ってチャットGPTに質問しそうになる。いや、まじめな話。

 話題の人工知能(AI)を、わたしはけっこうな頻度で使っている。おもに勉強の相談相手である。

 新しい言語を学ぶのが好きで、スペイン語、フランス語、ドイツ語を勉強している(できる、とは言ってない)。ニーチェやバルザックの気に入った文章を、大学ノートに原語で書き写し、ほとんどすべての単語を辞書で引く。翻訳や文法書と引き比べ、なるべく正確に、文章の構造を理解しようとする。

 それでも腑(ふ)に落ちない…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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