篠健一郎、後藤遼太
すさまじい勢いで進化するAI。少し前までは不自然さが目立った画像生成AIによる作品も、最近では「売り物」に近づきつつある。AIを使って短時間でイラストを制作する「AI絵師」と呼ばれる人たちも登場し、クリエーターからは、仕事が奪われたり、アイデアを「盗用」されたりすることへの懸念の声もあがる。両者の共存の道はあるのか。
千葉県の山岡朋子さん(57)は、昨年末、AIを使ったイラスト作りを始めた。元々は、撮影した写真を画像素材サイトに投稿していたが、ユーチューブで、画像生成AIを使って「写真を撮るような速さ」で絵が描けるのを見て、驚いたのがきっかけだ。
だが、「売り物」にするにはハードルがあった。
主要な画像生成AI「ステーブル・ディフュージョン」を使ったサービス「Mage」(メージ)を利用している。英語で「ヘッドホンをかけた女の子」と入力すると、コードが髪と混ざってしまったり、服の模様の中に入り込んでしまったり。頭が二つ、足が3本出ることもあった。「あらゆるところに潜む(AIの)『混乱』を見つけ、一つ一つ修正していくのはとても時間がかかる」
思い通りの絵を出力するためには、油絵や水彩画などの画材や、人物や動物など描きたい題材をできるだけ具体的に入力する必要がある。期待した絵が一発で出てくることもあるが、多くは画像編集ソフトを使った手直しが必要で、修正に1週間以上かかったこともあった。
販売に至るまでには、さらに…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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