高絢実
人工知能(AI)を使った暗号資産(仮想通貨)の取引で高額の配当が得られるなどとうたい、金をだまし取ったとして、愛知県警は12日、会社役員石田祥司容疑者(59)ら男4人を詐欺の疑いで逮捕した。県警は石田容疑者らが架空の投資話で全国の約2万人から約60億円を集めたとみている。
他に逮捕されたのは、山下幸弘(61)、橋谷田拓也(46)、戸島正道(52)の3容疑者。
出資者らによると、石田容疑者らはAIを導入した暗号資産の取引ができるとうたった「OZ(オズ) PROJECT(プロジェクト)」を運営。「出資すれば元本100%還元。4カ月で2・5倍になる」「AIが自動取引」などと説明し、金を集めていたという。
出資者の一部は、損害賠償を求める民事訴訟を名古屋や東京で起こしている。訴訟資料などによると、OZプロジェクトは、AIを導入したトレードシステムを利用し、月利60%以上の利率を実現すると説明。「勧誘役」がセミナーや説明会を開き、出資者らによる専用のLINEグループを作成させ、出資を呼び掛けていた。出資した人が自分の知人や友人を誘い、出資者が増えていったとみられる。
OZをめぐっては、2019年9月に名古屋市などに住む出資者らが県警に刑事告訴。県警も関係先を家宅捜索するなど捜査をしていた。(高絢実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル