ALS患者として在宅開始 むせる日本酒 日常に「異変」告げる影

ノンフィクション作家・井口隆史さん

 検査入院の末、難病「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」と診断されたのは2019年11月。退院すると、その足で病院近くのキッチンに寄った。当時の私の日記を振り返る。

 「カミさんとワインで乾杯する。この先を思うと、祝うべきか否かは分からないが、解放感はある。『栄養摂取だ』とビーフステーキを注文」(井口民樹『八十路ろうろう日記』=「クォリティ」誌20年2月号)

 主治医から受けた、今後の少ない注意のうち、とりあえず自分にできるのは、「栄養をつけて、痩せないようにすること」ぐらいだ。ランチの肉を、ママさんに小さく切り分けてもらった。

 住み慣れたマンションに帰る…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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