高絢実
愛知県警豊田署は20日、豊田市内のATMで還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、市内に住む女性2人に感謝状を贈った。
感謝状を受け取ったのは介護職パート岩崎千秋さん(47)と自営業大橋悦子さん(66)。
6月23日夕、豊田市内のスーパーの駐車場にあるATMのボックス内で、80代の女性が携帯電話で話をしながらATMを操作していることに、隣にいた大橋さんが気づいた。操作に時間がかかっているので「ちょっとおかしい」と感じた。大橋さんは、ボックスの外で並んでいた岩崎さんに声をかけた。岩崎さんも「時間がかかっていておかしい」と思った。
2人そろって女性に尋ねてみると、「還付金が返ってくる」と答えた。ATMの画面は約99万円が振り込まれる直前だった。すぐに詐欺だと気づき、110番通報した。大橋さんが女性の電話を代わると、相手の男は「関係ないじゃないか」などと言って、すぐに通話を切られた。
署によると、この日の午後3時半ごろ、女性宅に市役所の職員をかたる男から「還付金があるので今日中に手続きをすれば返ってくる」などと電話がかかってきていた。女性は指示に従ってATMを操作していたという。
感謝状を受け取った岩崎さんは「未然に防げてよかった」、大橋さんも「一ついいことをしたと思う」。中尾憲正署長は「2人の正義感と勇気に感服。ちゅうちょなく声をかけてもらって被害防止につながり感謝している」と話した。
豊田署の管内では今年に入って、7月末時点で特殊詐欺被害が27件(約5400万円)確認されている。前年の同時期よりも10件増え、被害の総額も約2200万円増えている。(高絢実)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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