ATMから子供の声で詐欺防止 特殊詐欺防止に貢献の保育所に感謝状

戸田和敬

 「おじいちゃん、おばあちゃん、ATMでお金は戻りません」。大阪市東淀川区東淀川郵便局では、ATMに近づくとスピーカーから子どもの声で注意を呼びかけられる。被害が深刻化する特殊詐欺を防ぐため、大阪府警東淀川署が「子どもの声なら多くの人に耳を傾けてもらえる」と、4月から始めた。

 スピーカーはATMなどに4台設置。人が2・5メートル以内に近づくとセンサーが反応し音声が流れる。音声は、近くの下新庄保育所の年長クラスの子ども21人が担当。郵便局には利用者から、「子どもの声だと聞きやすいね」との声が複数寄せられているという。

 保育所には5月23日、署から感謝状が贈られた。録音に参加した大原向葵(ひまり)さん(6)は「お金をとられたらあかんから、おばあちゃんにも『とられないようにね』って言った」。石田彩華(さやか)さん(5)は「いっぱい練習して上手にできた」と話した。

 署によると、管内で特殊詐欺は昨年54件発生し、還付金詐欺はうち30件。多賀弘幸・生活安全課長は高齢者がATMでの振り込みによる還付金詐欺に遭うケースが多いとし、「孫の声やと思って耳を傾けてもらい、被害防止につなげたい」と話している。(戸田和敬)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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