ツイッターアカウント「Dappi」による投稿で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の参院議員2人が訴訟を起こした。第1回口頭弁論は12月10日に予定されている。
Dappiは、一部を切り取った動画を元に野党や報道機関に対して誤った印象を与える投稿をするなどして、問題になっていた。
訴訟を起こした立憲民主の小西洋之、杉尾秀哉両議員の開示請求で、投稿に使われたインターネット回線の契約者は、東京都内のウェブコンサルティング会社と判明。ただ、プロバイダー側が提出した書面では、回線契約者と投稿者が異なることを示唆しており、契約者と投稿者の関係は分かっていない。
一体、誰が投稿していたのか。
ブラインドは閉められたまま、応対もなし
都心に近い駅から徒歩約5分ほど、幹線道路から路地に入ってすぐの4階建てのオフホワイト色の雑居ビル。オートロックの入り口にあるフロア案内板によると、この2階が、ウェブコンサル会社の事務所のようだ。
信用調査会社によると、従業員は15人。取引先には、自民党や大手出版社とある。
記者はDappiとのつながりについて聞こうと、10月以降、何度か訪れた。だが、インターホンを押しても反応はなかった。窓のブラインドは閉められたままで、社内の様子はわからない。
朝夕に出入りしている社員の姿も確認できず、日中に会社に電話をしても、「本日の営業は終了しました」との自動音声が流れ、つながらない状態が続いた。
ただ、同社の取引先の関係者によると、10月半ばに提訴について報じられ始めてからも、業務は続けていたようだ。社員の一人が「うちの会社がご迷惑をおかけしてすいません」と話していたという。
同社社長や取締役らにも接触を試みたが、一度も会えていない。
フォロワー17万人
Dappiのアカウント(@dappi2019)が開設されたのは2019年6月。フォロワーは21年12月3日現在、約17万8千人だ。開設後2日でフォロワーが1万人を超え、その後も毎月1万人ずつくらいのペースでフォロワーを増やしてきた。
プロフィル欄には、ティアドロップ型のサングラスのアイコン。「日本が大好きです。偏向報道をするマスコミは嫌いです。国会中継を見てます。」と書かれている。
このアカウント以前にも、同じ「Dappi」名のアカウント(@take_off_dress)が15年1月に開設されていた。約12万人のフォロワーがいたが、19年6月にアカウントは凍結され、現在もツイッターの「ルールに違反している」として凍結が続いている。
二つのアカウントの関係は分かっていないが、いずれもプロフィル欄に、「DAPPIのセイジコウサツ」というdappiを名乗るブログと、相互にリンクがはられている。ブログでは18年12月まで、以前のアカウントのツイートを引用した投稿が行われていた。
投稿は平日に集中
朝日新聞がSNS分析ツール「ブランドウォッチ」を使い、@dappi2019のアカウントを調べたところ、19年6月22日~21年10月1日に、5110件ツイートやリツイートをしていた。
投稿数は1日平均6件で、最も多い日で1日35件。最も投稿が多かったのが木曜日(1167件)で、逆に週末は極端に減り、土曜日が139件、日曜日が143件だった。時間帯は、午前9時ごろから投稿が増え始め、午後1~6時に特に投稿が集中していた。
両議員による発信者情報の開示請求が認められた直後の10月1日、菅義偉前首相のツイートをリツイートして以降、投稿はぱたりと途絶えた。
「野党『ギャーギャー』」
投稿内容を、言葉の出現頻度などを調べることができるテキスト分析ソフト「KHコーダー」を使って分析した。
名詞で最も多く使われていた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル