スポーツ専門の映像配信サービス「DAZN」は8月7日、東京・渋谷でメディアを対象に2019年上半期の業績を発表した。
この中で、プロ野球の放送について、東京ヤクルトスワローズと広島東洋カープの主催試合の放映権が獲得できていないことに対して、獲得を目指す姿勢を強調しつつ「凄く交渉が難しいという現実がある」と道のりが遠いことも窺わせた。
■サッカー・野球の2本柱
発表を行ったDAZN日本法人のマーティン・ジョーンズ・エクゼクティブバイスプレシデントによると、DAZNは2019年の上半期サッカーの試合中継などが好調だった。
中継やハイライトなどの合計視聴数では、ブラジルで開催されたコパ・アメリカの日本代表戦や、久保建英選手が所属するレアル・マドリードの試合など、いずれもサッカーが上位を独占した。
一方で、2019年から提携を結んでいる読売ジャイアンツに関しては、試合中継に加え、長編のドキュメンタリーも製作する方針を明かし「野球とサッカーはDAZNにとって非常に重要な2大スポーツコンテンツ。100%の力でコミットしていく」とした。
■“凄く交渉が難しい”
しかし、プロ野球の配信には課題を抱えている。
パ・リーグ6球団の主催試合は放映できるものの、セ・リーグでは東京ヤクルトスワローズと、広島東洋カープの主催試合を放映する権利を獲得できていないのだ。
これについてジョーンズ氏は「色々な権利上、凄く交渉が難しいという現実があります。既存の放送局の事情もリスペストしながら、私たちは全力で12球団(の放映権)を獲りに行く考えです」と交渉が順調ではないことを示唆した。
これに対し、記者から「放映権を獲得できる自信はどの程度あるのか」と問われると、ジョーンズ氏は「ここで語る必要はない」と肩をすぼめた。
その上で「野球コンテンツについて、DAZNは100%の力でコミットするのは間違いありません。交渉に時間がかかることは、苦に思っていません。1つ言えることは、2020年以降も、野球コンテンツは非常に自信を持って皆さんにお届けできるということだ」と話した。
DAZNは、自分たちのプラットフォームを通じて、球団側も新規のファン層を取り込めるなどの利点を強調し、交渉を続けていくことにしている。
高橋史弥(Fumiya Takahashi)
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース