DV受けた母の死から3年、娘に給付金支給へ 家族間の犯罪、高い壁

 大阪府公安委員会は、同居中の男性に暴行されて死亡した女性の娘2人が申請した犯罪被害者給付金について、不支給とした昨年の裁定を取り消し、支払うことを決めた。夫婦など親族間の犯罪は原則不支給だったが、DV(家庭内暴力)被害者救済の観点から近年、「関係の破綻(はたん)」を条件に支給されるようになった。裁判で継続的なDVが認められていたことなどを理由に決定が覆った形だ。

 2人の母親木下恵さん(当時40)は2018年6月、兵庫県姫路市内で同居していた男(43)=傷害致死罪で服役中=から暴行を受け、死亡した。

 大阪府在住の娘2人は翌年、府公安委に給付金を申請したが、被害者と加害者が内縁関係にあるとして、「不支給」の裁定が昨年7月に出た。2人は「母は継続的なDVを受け、別れを決意して転居先を探していた。関係は既に破綻していた」として、国家公安委員会に審査を請求。府公安委側は「事件の直前3カ月間は暴力を確認できない。関係が破綻していたとは認められない」と反論していた。

 2人の代理人を務める養父(…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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