事件捜査や警備などの警察活動に、人工知能(AI)をどう役立てることができるのか。警察庁が実証実験を通じて、その可能性と課題を探っている。一定の効果が確認され、実用化が見えてきたものもある。
数十種類の車の画像データをAIに学習させ、現場周辺の防犯カメラ画像に映った車の静止画を分析すると、可能性が高い順に候補の5車種を順位付けする――。
そんな実証実験は2019年度に始まった。車の画像から車種を割り出す目的で、一定の精度が得られたという。今年度は対象の車種を1千前後まで拡大。動画のデータを解析して探すべき車種を選びだし、その車種が映っているシーンを抽出する仕組みを試す。
資金洗浄(マネーロンダリング)が疑われる取引情報の分析では、金融機関などから届け出があった情報のうち、実際に事件の摘発につながった例をAIが学習。ほかの情報を分析し、注意すべき度合いをスコアで判定して優先順位を付ける。19年度の実験では効率的な分析ができたといい、警察庁は今年度中に実用化したい考えだ。
一方、大規模イベント会場の警備で人混みの中から不審な点を探す実験では問題点が見えた。
会場周辺にいる群衆の模擬映…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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