DV被害、昨年8万2643件 17年連続で最多更新

 警察が昨年1年間に把握した配偶者などパートナーに対する暴力(DV)の被害は8万2643件(前年比0・5%増)で、17年連続で最多を更新した。警察庁が4日発表した。

 増加の背景について、同庁はDVへの社会的関心の高まりを受けた積極的な相談・通報とみている。月別に前年と比べたところ、コロナ禍との関係は明らかではないが、家庭内の暴力が潜在化している恐れがあるとして、担当者は「DVの端緒を把握できるように努める」としている。

 DV被害者の76・4%は女性。男性の被害も増加傾向で、5年間で2倍近くの1万9478件に上った。年代別では30代が最多で27%を占め、20代23・4%、40代22・9%と続いた。

 DV防止法の保護命令違反として摘発したのは76件(前年比5件増)。刑法などで摘発したのは8702件(同388件減)にのぼり、容疑別では暴行(5183件)と傷害(2626件)で約9割を占めた。殺人未遂が110件あり、福岡県で80代の男が70代の妻に暴行を加えて死なせた傷害致死が1件あった。

 一方、ストーカー被害の相談は昨年2万189件(前年比723件減)で、8年連続で2万件を超えた。被害者は女性が9割近くを占め、加害者との関係では交際相手・元交際相手や配偶者・元配偶者が約半数だった。

 ストーカー規制法違反での摘発は985件で過去最多。刑法などでの摘発は1518件あり、容疑別では住居侵入、脅迫、暴行が多かった。

 そのうち、宇都宮市でストーカー行為を受けていると警察に相談していた女性が男に刺される殺人が1件あった。警察が加害者につきまといなどを禁止する命令は過去最多の1543件に上った。(田内康介)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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