DV被害者に待っていたもう一つのドン底 腫れた顔を見た不動産屋は

 酒に酔った夫は、家庭内暴力(DV)を繰り返した。神奈川県の50代の女性は、痛みと恐怖に耐えかねて離婚を決断する。

 でもその先に、別の苦しみが待っていた。

     ◇

 3年前、自宅近くで夫に殴られ気を失い、気づけば病院のベッドの上だった。

 あごを複雑骨折し、内出血による大きなあざが顔をおおった。夫は傷害罪で実刑判決を受けた。

 「夫が刑務所を出る前に離婚と引っ越しを済ませなきゃ」。そう考えて法テラスに行き、離婚の手続きをサポートしてもらった。

 ただこれから生活をどう立て直すか。突如降りかかった問題をどう解決すればよいのか、途方に暮れた。

 一番困ったのはお金の問題だ。治療費だけで100万円以上。加えて離婚の弁護士費用、引っ越し費用――。「被害者ってこんなにお金がかかるんだ」

 生活費を切り詰めたが借金せざるを得ず、「加害者は暮らす場所も保証され、ご飯の心配もないのに」と恨めしく思うことも。

 新居探しでは、予想だにしないことがあった。

 腫れた顔で、ある不動産屋に…

この記事は有料会員記事です。残り1656文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment