G7首脳らが肉筆で記した「芳名録」 広島市が実物を公開

 G7首脳らが19日に広島平和記念資料館を訪問した際に記帳した「芳名録」が20日夜、広島市役所で公開された。「世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう」(バイデン米大統領)など原爆犠牲者への思いや平和へのメッセージが、肉筆で記されている。

 芳名録は、国家元首や著名人らが資料館を訪れた際にメッセージを書き残す冊子。2016年に現職米大統領として初めて広島を訪れたバラク・オバマ氏は、「私たちは戦争の苦しみを経験した。共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持とう」と記した。

 【岸田文雄首相】

 歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に「核兵器のない世界」をめざすためにここに集う。

 【フランスのマクロン大統領】

 感情と共感の念をもって広島で犠牲となった方々を追悼する責務に貢献し、平和のために行動することだけが、私たちに課せられた使命です。

 【米国のバイデン大統領】

 この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう!

 【カナダのトルドー首相】

 多数の犠牲になった命、被爆者の声にならない悲嘆、広島と長崎の人々の計り知れない苦悩に、カナダは厳粛なる弔慰と敬意を表します。貴方の体験は我々の心に永遠に刻まれることでしょう。

 【ドイツのショルツ首相】

 この場所は、想像を絶する苦しみを思い起こさせる。私たちは今日ここでパートナーたちとともに、この上なく強い決意で平和と自由を守っていくとの約束を新たにする。核の戦争は決して再び繰り返されてはならない。

 【イタリアのメローニ首相】

 本日、少し立ち止まり、祈りを捧げましょう。本日、闇が凌駕(りょうが)するものは何もないということを覚えておきましょう。本日、過去を思い起こして、希望に満ちた未来を共に描きましょう。

 【英国のスナク首相】

 シェークスピアは、「悲しみを言葉に出せ」と説いている。しかし、原爆の閃光(せんこう)に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ。

 【欧州連合(EU)のミシェル首脳会議常任議長】

 80年近く前、この地は大いなる悲劇に見舞われました。このことは、われわれG7が実際何を守ろうとしているのか、なぜそれを守りたいのか、改めて思い起こさせます。それは、平和と自由。なぜならば、それらは人類が最も渇望するものだからです。

 【EUのフォンデアライエン欧州委員長

 広島で起きたことは、今なお人類を苦しめています。これは戦争がもたらす重い代償と、平和を守り堅持するというわれわれの終わりなき義務をはっきりと思い起こさせるものです。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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