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新型コロナウイルス感染拡大は収まらず、GoToトラベルの見直しが検討されています。GoToトラベルと感染増の関連などについて、感染制御が専門の順天堂大学・堀賢教授に話を聞きました。 23日、東京都では314人、北海道では206人、愛知県では95人、大阪府では281人の新規感染者が確認されました。 (Q.感染者の増加傾向に歯止めがかからない状況となっています。どう受け止めていますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「各地で陽性者が急増していますが、北海道がステージ3、大阪・愛知・東京もステージ3になりつつあると言われています。20日の分科会の勧告を受けて、週末から引き締めが始まりましたが、その効果が出るのは早くても2週間後ですので、まだまだ増えると思います」 日本医師会からは「我慢の3連休にしてほしい」という呼び掛けもありましたが、22日の観光地の人出は、15日と比べて、北海道・札幌駅は1%減りましたが、神奈川県・箱根町では55%増、京都府・嵐山では62%増でした。政府は、GoToトラベルの利用者が約4000万人、感染者は利用者や宿泊先の従業員など約300人だと説明しています。 (Q.往来と感染の関連性はありますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「統計自体が非常に難しいです。4月ごろを思い出して頂くと、人が往来すれば感染症は広がりやすくなると話をしていました。そういう意味では、今、増える圧力が出てきているという状況です」 北海道と大阪はGoTo除外を受け入れる方針で、東京と愛知は「国で判断をしてもらいたい」としています。ただ、政府は「ステージ3にあたるかは都道府県知事の判断」としていて、ボールを投げあっている状態になっています。 (Q.この状況をどう見ていますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「国は、都道府県の知事が決めて、国に支援を要請してくださいということですが、知事たちの受け止めは様々です。どのような条件になったらキャンペーンを一時停止し、様子を見るのかについて、事前の取り決めがどうであったのかが、見えてこない状況です。現在、急ピッチで調製中のようですが、現場は混乱しています。これから色々がんばっても変化が出るのは2週間後になります。さらにその1週間後の情勢を見極めてから、分科会が決断を下すということになると思います。ここでもし改善が見られなければ、制限はより強くなるということも示されています。今一度、感染対策をしっかり理解することが大事です。例えば『3密』という言葉は知っていても、3つ言える人はあまり多くいません。実際に中身を理解して動ける人は、医療従事者のなかでも怪しい人もいます。知識としてあることと、実践できるかは別の話で、注意する場面だけでなく、どうするべきなのかについても広く教育をして頂きたいです」 (Q.GoTo見直しのタイミングとしてはどう考えていますか?)
順天堂大学・堀賢教授:「実際に増え始めたのは先々週で、分科会が開催されたのが先週末。あらかじめアクションプランが定めてあれば、もう少し早く動けたんじゃないかと思う所はあります。今がラストチャンスに近いと思っていて、ここでしっかりやらないと年末がちゃんと越せないということも出てくると思います」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース