政府は10日、観光支援策「Go To トラベル」の対象に、東京都民の旅行と都内への旅行を加える方針を固めた。11日の新型コロナウイルス感染症対策分科会に諮り、理解を得られれば、10月1日の旅行から対象とする考えだ。
政府関係者らが明らかにした。コロナ禍に苦しむ観光業界にとっては需要喚起がはかられることになるが、一方で、都道府県境をまたぐ移動が活発になるため、観光地での感染防止や医療態勢の面での不安も抱える。
政府は、都内の新規感染者数が6月中ごろから再び増え、国内で突出していたことや、小池百合子都知事が都民に対し、不要不急の都外への移動の自粛を呼びかけていたことなどを踏まえ、施策開始時から当面、都民の旅行などを支援対象から外していた。
政府の分科会がその後、東京都を中心に広まった初夏の感染流行は7月27~29日をピークに緩やかに減少を続けていると評価。減少傾向は今も変わっていないと政府はみており、移動自粛に対する都の考えなどを踏まえたうえで、分科会に東京追加を諮ることを関係者と調整していた。
東京追加の時期は当初、9月19日からの4連休に間に合わせるよう検討していたが、準備期間などを考えて10月からとする。旅行業界への聞き取り調査などで、4連休後の旅行需要の落ち込みに懸念の声があり、下支えする必要があると判断した。
「Go To トラベル」は、コロナ禍で甚大な打撃を受けた業界を支援する政府の消費喚起策の目玉の一つ。7月22日に始まった。割引商品の販売が始まった7月27日から9月3日までに、少なくとものべ781万人が宿泊利用した、と政府は発表している。(中田絢子、相原亮)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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