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全国で『GoToキャンペーン』の対応に追われています。都市部で新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、実行して本当に大丈夫なのか。WHO(世界保健機関)で感染症対策に携わった大東文化大学・中島一敏教授にお話を伺いました。 ◇東京では1週間にわたって新規感染者100人以上と高い位置で推移し、東京都のモニタリング会議では感染状況の警戒レベルを最も深刻な表現に引き上げました。現在の感染状況をどう見ていますか? 大東文化大学・中島一敏教授:「感染者数が増えているだけではなくて、東京都内でも範囲が広がっていますし、20~30代が中心だった年齢の割合も、より年齢の高い方に増えていっています。一般の方に広がっているという状況も見えてきていますので、感染は拡大していると判断した方がいいと思います」 ◇東京都の医療提供体制は4段階中、上から2番目の『体制強化が必要であると思われる』と、前回から据え置かれました。この判断はどう見ますか? 大東文化大学・中島一敏教授:「患者数が増えてはいますが、年齢が若いこともあって重症者が少ないというのが大きいです。病院の中の医療状況も3~4月に比べるとひっ迫していない状況だと思います。ただし、感染者数が増えれば、重症者も増えていくので油断はできません。レベルを上げないためには、まず広がっている感染を抑えていくことが何よりも大事です。今後、『高齢者に感染が広がり、重症者が増えること』や、『大きなクラスターが起きること』、『高齢者施設や医療機関での集団感染』を心配しています。こういうこと起きたり、重なってくると、一気に状況が悪くなります」 ◇都市部で感染が拡大していくなかで『Go To キャンペーン』が行われようとしていますが、どのようにお考えですか? 大東文化大学・中島一敏教授:「感染拡大防止の視点からいうと、人が移動するというのはウイルスが移動することにつながるので、基本的には歓迎しません。ただ、すべてダメというのでは経済や社会が活性化していかないので、その先に何があるのかが大事です。ウイルスが移動したとしても、そこで感染が起こるまでには段階があります。すなわち、接触があるということが感染の機会になります。一律に移動することやGoToキャンペーンが良い悪いという単純な議論ではなく、それを行うためには何が必要なのかを考える必要があります。基本的な感染対策、マスクや手洗い、3密を避けるなどといった行動を実践していくことが大事です」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース