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『GoToトラベル』をめぐって、東京都の小池知事と菅総理が1日夜、会談しました。会談の後、小池知事は、Gotoトラベル事業の東京発着分について、65歳以上の高齢者と基礎疾患を持つ人に対して、当面の間、利用自粛を呼びかけることで、菅総理と合意したことを明らかにしました。自粛要請の期間は、今月17日までです。 ◆都庁担当の鈴木彩加記者に聞きます。なぜ、このような判断となったのでしょうか。
鈴木彩加記者:「都庁内でも色々な議論をされてきました。東京都としては、これまで繰り返して発言している『重症者の数をいかに抑えるか』そこにポイントを置いたようです。議論のなかで、一定期間、すべてを対象に止めるという考えもあったようですが、やっぱり医療崩壊を防ぐ。そこに直結する重症者の数をいかに抑えるかということに軸足を置いた結果、今回、条件を付けたうえでの要請となりました」 ◆なぜ、“停止”ではなく“自粛”となったのでしょうか。
鈴木彩加記者:「都としては“停止”にこだわっていたようです。関係者によると、1日朝から小池知事と菅総理は何度も話し合いを重ねてきたといいます。そのなかで、小池知事は、出発と到着、どちらも停止とすることを求めていたといいます。大阪と札幌の場合は、到着は除外、出発は自粛としているので、そこと矛盾が生じることになったり、キャンセル料などの実務的なことはどうするのかなど、国として、そこまで管理しきれないのではないかという声が上がったようです。知事としては効果を得るためには、出発と到着、どちらも入れなければ意味がない。国としては、自粛ではなく、停止にしてほしいということで今回、このような形にまとまったようです」 ◆官邸側については、官邸キャップの吉野真太郎記者に聞きます。なぜ、このタイミングだったのでしょうか。
吉野真太郎記者:「官邸側も小池知事が“停止”と言ったことはわかっています。ただ、出来ることと、出来ないことがあって、すぐに制度としてストップできるのかや、例えば、旅行サイトのシステムなどの変更を直ちにできるのかという問題も生じてきます。そうしたことから『政府からのお願い』という形式になっています。これまで取材していて、どうしても“国側”と“東京都側”、あるいは“菅さん”と“小池さん”という対立軸がずっとありましたが、ここにきて、呉越同舟の機運が見えてきたようにも見えます。仮に、GoToで東京を除外するということになれば、経済の観点から考えて、国にとっても、東京都にとっても苦しい決断だから踏み込めない。まずは高齢者、そして基礎疾患を持っている人から重症者を出さないようにすることを優先しようというラインで一致したということです」 7月にGoToトラベルが始まったときは、東京発着は除外されていました。そして、第2波が収まった10月に東京発着も対象となりました。11月に入り、第3波となり、札幌市と大阪市は、除外や自粛という対応が取られました。そして、1日、東京発着は自粛を呼び掛けるとなりました。
◆東京都は、もっと早く判断ができなかったのでしょうか。
鈴木彩加記者:「ポイントは2つ。東京都の感染状況が急速に悪化している。なかでも重症者が急増しているという状況です。だから、先月25日に飲食店の時短要請を打ち出しました。さまざまな事業者にとって書き入れ時となる年末年始までに抑えたいという考えがありました。政府は先月28日、札幌と大阪について、自粛ではありますが、出発についても対象にするとしました。ですので、東京都として、どうするのか検討を進めるなかで、影響が出る事業者について、キャンセル料をどうするのか、再開はどうするのかなど、様々な課題がありました。不透明ななかで、簡単に打ち出すことはできなかったということです。 ◆GoToトラベルについて、最終的に官邸はどうしたいのでしょうか。
吉野真太郎記者:「政府側はGoToトラベル自体が感染を拡大させるとは考えていません。アクセルとブレーキを同時に踏みながら、感染拡大の防止と経済を止めない、この両立を目指していくことになります。現に、1週間前までは、官邸内でも「東京除外の議論は全くない」と言われていましたが、連日、重症者の数が増えてきたことで、今は自粛要請となりました。『勝負の3週間』と言われていますが、その割には対策が小出しだなという印象はありますが、さらなる対応が必要だという政府としてのメッセージが必要だということになれば、GoToトラベルだけではなくて、そもそも人の往来をそのままにしておいていいのかといった議論も出てくるかもしれません」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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