GPSが明らかにした空白の航路 知床事故、沈没直前に起きた異変

 北海道・知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故について、国の運輸安全委員会が公表した調査報告書では、カズワンが沈没するまでにたどった航行経路も明らかになった。報告書の内容と関係者の証言から読み解く。

 航行経路は、乗客の携帯電話から発信された位置情報記録で解析した。4月23日午前9時55分~午後1時13分の間に、35地点の位置記録が確認された。それらをつなぐと、船は折り返し地点の知床岬に到達し、復路の途中で沈没していたことが分かった。

 午前10時ごろにウトロ漁港を出発したカズワンは、半島西側の沿岸を巡りながら、38分後に漁港から約14キロ地点の「カムイワッカの滝」沖を通過。この時点では、過去の運航と比べても通過時刻の差はほとんど見られなかった。

 折り返し地点の知床岬には…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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