日本航空(JAL/JL、9201)は、機内安全ビデオを9月1日にリニューアルし、国内線と国際線で上映する。緊急時に乗客が自分勝手な行動をとった場合に、起こりうるリスクを具体的に表現し、必要性を理解してもらえるようにした。安全ビデオの刷新は2006年以来13年ぶりで、訪日外国人の増加に伴い多言語化も進めた。
今回の安全ビデオは、近年起きた世界の航空事故事例から得られた教訓と、ノンフィクション作家の柳田邦男氏を座長とし、5人の社外有識者からなる「安全アドバイザリーグループ」からの助言を踏まえて制作。緊急時に想定される危険な状況について、「着席時」「緊急脱出時の機内」「緊急脱出時の機外」の3シーンに分け、現行の安全ビデオよりも臨場感のある映像を採用したという。
着席時のシーンでは、荷物を正しい場所に収納しない場合、飛散した荷物でけがのおそれがあることや、シートベルトを常時着用しないと、突然揺れた際に体が浮き上がってけがをするおそれがあることを具体的に表現した。
緊急脱出時の機内シーンは、身勝手な乗客のせいで他人の命が危険にさらされることを説明。世界各国で近年起きた航空事故で、緊急脱出時に手荷物を持ちだすことが、脱出の妨げとなる事例が報告されていることを反映した。通路がふさがれて多くの乗客が脱出口に進めなくなる様子や、荷物やハイヒールで脱出用スライドが破損して使えなくなる可能性があることを説明した。
緊急脱出時の機外シーンは、スライド滑走の場面で乗客が実際に体験する目線による表現を取り入れた。スライドの高さやスピード感に加え、滑走後のけがを防ぐため、着地点を見ながら正しい姿勢で滑るポイントを説明した。スライド下での乗客による援助も、具体的な援助方法を横や正面からの映像を使って表現した。
訪日外国人客の増加に合わせ、従来の日本と英語に加え、中国語など全11言語に対応した。10月からは、安全に関するルールとマナーをまとめたビデオもリニューアルし、機内や個人用モニターで視聴できるようにする。
Tadayuki YOSHIKAWA
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース