日本オリンピック委員会(JOC)は17日、早稲田大元教授の友添秀則・常務理事(64)が辞任したと発表した。12日付で「自己都合」による辞任の申し出があり、山下泰裕会長が13日に受理した。
友添氏については、早大在職時に学内でパワーハラスメントを行っていたとする報告書を早大の調査委員会がまとめていたことが明らかになり、友添氏は取材に「ハラスメントはなかったと思っている」と答えていた。
JOCは報告書をめぐる報道を受けて早大に事実確認をしたが、「調査委は学外秘の案件」として情報開示を受けられなかった。山下会長は友添氏から「パワハラの疑いで大学から調査を受けているが、パワハラの認識はなかった」との説明を受けていたと明らかにしていたが、複数の関係者によると、常務理事にとどまるのは適切ではないとの声が内部で高まっていたという。理事の一人は、「JOC理事にこういう疑惑が持たれていたこと、疑惑を払拭(ふっしょく)する(調査などの)手続きがないまま退任となったことは残念。疑惑にふたをしたと思われても仕方ない」と話した。
友添氏は10月末に自己都合で早大を退職した。早大からの処分はなく、JOCも「学内の案件」として処分は検討していないという。
友添氏はスポーツ倫理学が専門で、スポーツ界の暴力やハラスメントの問題について発言している。JOCでは昨年6月に常務理事に就任し、倫理委員会の副委員長も務めていた。このほか、スポーツ庁のスポーツ審議会会長代理も務めている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル