板倉大地
脱炭素社会の実現に向け、水素を活用したバスの導入をJR九州などが検討している。2017年の九州北部豪雨で被災して不通となったJR日田彦山線の一部区間で今秋、実証運転を始める。同社や福岡県などが8日、発表した。
JR九州によると、実証運転を行うのは、今夏にバス高速輸送システム(BRT)が開業する添田(同県添田町)―日田(大分県日田市)の約40キロ区間。今秋から25年春ごろまで、水素などを使った燃料電池(FC)で走る定員20人の小型バス1台を実験的に運行する。実際に客を運ぶという。
添田駅の最寄りの水素ステーションは福岡県内でも数十キロ離れた宮若市にしかなく、燃料の補給を含めて運行距離に問題がないかなどを検証し、実用化を検討していく。
トヨタ自動車やいすゞ自動車などが出資し、商用車の電動化などに取り組む「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」(東京)も実証運転に参加。福岡県は昨年12月、同社とFC車の活用についての連携協定を結んでおり、服部誠太郎知事は、今回の実証運転が「協定の第1弾となる」と語った。
JR九州の古宮洋二社長は「水素は今後、環境問題への武器となる。環境対策に少しでも尽力したい」と意気込んでいる。(板倉大地)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル