10日午後0時50分ごろ、埼玉県蕨(わらび)市にあるJR東日本の変電所で火災が発生。山手線など首都圏の主要10路線が停電により運転を見合わせた。一部の路線を除いて午後8時過ぎには運転を再開したが、355本が運休、128本に遅れが生じ、23万6千人に影響が出た。11日朝は通常通り運転し、大きな混乱は確認されていないという。埼玉県警は同日、火災の原因を調べるため、実況見分を始めた。
県警によると、蕨市塚越4丁目の蕨交流変電所で「爆発音が聞こえた」と近隣住民から110番通報があった。火は約30分後に鎮圧したが、変電所の変圧器などの電気設備を収容しているトランス室約25平方メートルが燃えた。変電所は無人で、施設の出入り口とトランス室はいずれも施錠されていたという。けが人はいなかった。
JR東によると、火災が起きた蕨交流変電所は「基幹変電所」と呼ばれる。同社管内の発電所などから送られる電気の電圧を変え、東京や埼玉にある複数の変電所を経由して電車を動かす電力を供給していたが、火災で機能しなくなって停電が発生したという。
同社は火災を受け、別の基幹変電所に切り替えて送電を開始。都心の山手線や常磐線、埼京線などの大半の路線は約1時間後に順次運転を再開した。
一方、代替した基幹変電所では、送電距離などの理由から埼玉県内の複数の変電所まで供給するのが難しかったという。そのため、鎮火を待って蕨交流変電所の別系統を使って送電を再開し、午後8時過ぎには湘南新宿ラインの一部区間を除いて運転再開につなげた。
変電所を巡っては、6月に渋…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル