記録的な大雨となった山口県や大分県で2日、行方が分かっていない2人の捜索が続いた。山口県内で線路の一部が流されるなど、交通網にも大きな影響が出ている。九州を中心に3日も激しい雨となる可能性があり、気象庁は注意を呼びかけている。
6月末から1日にかけて西日本の広い範囲で大雨となり、これまでに山口市で、用水路に沈んだ車から見つかった男性の死亡が確認されている。
山口県美祢市では厚狭(あさ)川沿いの県道が冠水し、軽乗用車を運転していた1人が行方不明になっている。水に流された可能性があるとみて、県警は2日、約120人態勢で川の下流域を捜索した。
大分県由布市湯布院町でも住宅が土砂に流され、住民の1人と連絡がとれていない。警察と消防の約90人態勢で朝から捜索したが、現場は大量の土砂が堆積(たいせき)。いずれも2日夕の時点で発見にはいたっていない。
気象庁のまとめによると、山口県をはじめ、愛媛、石川、広島県などで家屋の浸水が確認されているという。
山口県山陽小野田市と長門市を結ぶJR美祢線は、美祢市内の厚狭川にかかる約80メートルの線路が崩落。ほかにも複数箇所で線路の盛り土が流されており、全線で運転を見合わせている。運転再開のめどは立たない状況で、JR西日本は代替の輸送手段としてバスの運行などを検討している。
美祢線は2010年7月の大雨でも厚狭川にかかる線路が流され、復旧までに1年2カ月を要した。利用客の落ち込みも目立っており、地元の自治体からは「今回の被害が廃線の議論のきっかけにならなければいいが」との声も出ている。
JR久大線の日田(大分県日田市)―庄内(同県由布市)駅間も現地の安全確認や補修に時間がかかっているとして、終日運転を見合わせた。
雨はいったんやんだものの、気象庁によると降り始めから2日午後3時までの総雨量は大分県日田市で531・5ミリ、熊本県湯前町で505・5ミリ、福岡県添田町で465・5ミリに達している。
気象庁によると、梅雨前線は九州付近に停滞し、3日も局地的に非常に激しい雨や突風が発生するおそれがある。3日午後6時までの24時間雨量は、長崎、熊本、鹿児島の多いところで200ミリに達すると予想。これまでの雨で地盤が緩んでいるところがあり、気象庁は土砂災害に警戒するよう呼びかけている。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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