無料通信アプリ「LINE」の個人情報が利用者への具体的な説明が不十分なまま、中国の関連企業からアクセスできる状態にあった問題で、LINEの親会社のZホールディングス(HD)は23日午後、外部有識者による特別委員会(座長=宍戸常寿・東京大大学院教授)の初会合を東京都内で開いた。
会合の冒頭、LINEの出沢剛社長は「ユーザーの皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしており、大変申し訳ございません」と謝罪した。
出沢社長は、明らかになった課題として①中国で個人情報にアクセスする業務を実施していた②「トーク」上の画像や動画を国外で保管していた③プライバシーポリシーに国名を明記していなかった、ことを挙げた。
その上で、日本の利用者の個人情報への中国からのアクセスはすでに遮断していることや、中国での業務を終了したことを明らかにした。また「トーク」内の画像や動画、ファイルデータは今年6月までに国内に移転するとした。
ZHDの川辺健太郎社長も謝罪し、「LINEの親会社として、きちんとその履行を監督・管理していく」と強調した。
会合後に取材に応じた宍戸氏は、この日のLINE側の説明について「利用者の安全・安心を確保する上でやらなければならない緊急措置をとった。いわば、止血をした状態」と述べた。次回以降の課題は「本当の病巣はどこにあり、どういう手術をしなければいけないのか」を調べることだという。
委員会では、LINEのデータの取り扱いについて、セキュリティーとガバナンス(企業統治)の観点から検証・評価する。検証結果を踏まえ、プライバシーやセキュリティー、ガバナンスの観点に加えてプラットフォーム事業者として考慮すべき各国の法制度など、今後の対応策を提言するという。(益田暢子、篠健一郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル