メダルラッシュに負けぬ笑いラッシュとなるか――。「とにかくおもしろい漫才」を決める戦いの火ぶたが8月1日、ついに切られた。
M―1グランプリ2021。お笑い賞レースの頂点に位置する大会の1回戦はこの日、東京・渋谷のシダックスカルチャーホールAで始まった。「真空ジェシカ」「まんぷくユナイテッド」など約50組が出場。2日も同じ会場で、「赤もみじ」「令和ロマン」など約45組が自慢のネタを披露する。
札幌、仙台、名古屋、福岡、沖縄でも
熱いのは東京だけではない。会場は札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡、沖縄を含めた8地区で、10月にかけて熱戦が繰り広げられる。2回戦、3回戦、準々決勝、準決勝と選考を重ね、敗者復活戦と決勝は12月、ABCテレビ・テレビ朝日系全国ネットで生放送される。
エントリーは8月31日まで可能。出場資格はプロ・アマ問わず結成15年以内で、賞金は1千万円。審査基準はとにかくおもしろい漫才。2千円払えば誰もが参加でき、てっぺんを目指せるという、いたってシンプルな賞レースだ。
記事後半では、前回王者のマヂカルラブリーがM-1を語ります。
勝って人生激変「値段見ずパンを……」
今年はどんな顔ぶれになるのか。7月3日に行われた大会宣伝のライブ配信では、「アキナ」「オズワルド」「アルコ&ピース」といった実力派芸人らが出場を表明した。5081組の出場した前回大会で最高齢ファイナリストと騒がれた「錦鯉(にしきごい)」もそのなかの一組。M―1効果で仕事が増え、人生が変わった。長谷川雅紀(50)は「値段見ないでパン買えるようになりましたから」としみじみ。今年も最高齢記録を更新すべく挑む。
出場者だけでなく、大会を盛り上げるサポーターの募集も始まった。昨年から始まった試みで、さまざまな特典を受けられる。漫才コンビと同じく2千円を払えば、決勝エキストラ観覧(会員限定抽選招待枠)、サポーターズクラブ限定の特別コンテンツ、会員特典グッズといったプレゼントがある。大会を取り仕切る吉本興業とABCテレビは「M―1は漫才師だけでは成立しない。お客さんとともに創り上げていくもの」と多くの参加を呼びかけている。(土井恵里奈)
マヂラブ「優勝した方がいいよ」
昨年のM―1グランプリの王者マヂカルラブリーが、今年の出場者にエールを送る。
ズバリ、「優勝した方がいいよ」と野田クリスタル(34)。優勝してからテレビの仕事はそれまでの約6倍に急増し、バラエティー番組にもよく出演するようになった。テレビの現場では、M―1優勝の「肩書」は思った以上に効くと実感している。
DVD「M-1グランプリ2020 スピンオフ マヂカルラブリー漫才論争へのアンサーLIVE」が、8月18日によしもとミュージックから発売される。3300円(税込み)。
「お笑いをよく知らない人たちも身構えてくれる。『この人たちは面白いんだ』と見てもらえるだけで、笑いは取りやすくなるんですよ。M―1王者にはそういう強さがありますね」
マヂカルラブリーのインタビューの詳細は、8月5日に配信予定です。
DVD「M-1グランプリ2020 スピンオフ マヂカルラブリー漫才論争へのアンサーLIVE」が、8月18日によしもとミュージックから発売される。3300円(税込み)。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル