NGリスト発覚のジャニーズ会見 記者による追加質問、なぜ必要?

 故ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐってジャニーズ事務所が開いた2日の会見で、取材する側の「NG」リストが作られていたことが判明した。質問は一社一問に限られ、追加質問を認めない形で進められた会見。実務家や専門家はどう見たのか。

広報会社長「考えられない」

 「NG」リストについて、企業の謝罪会見などを支援する危機管理広報会社エイレックス社長の江良俊郎さんは「責任ある組織として、問題を二度と起こさないために、説明責任を果たすことが会見の目的。記者の選別は考えられない」と話す。ジャニーズ事務所は会見2日前のコンサル会社との会議でリストを示されたと説明しているが、「コンサル会社側が事務所に忖度(そんたく)するような関係にあったのでは」とみる。

 会見には、記者やフリージャーナリストら約300人が参加。時間は2時間と指定されており、質疑の冒頭で司会者が「一社一問」と説明し、挙手した記者らを指名する形で進行した。返ってきた答えが物足りない場合などの追加質問も認められず、繰り返し質問をする記者の発言を司会者がさえぎったり、指名されていない記者が質問したりするなど混乱する場面もあった。

 江良さんは、「質問制限には、前回の会見で長時間追及されたことの『反省』を生かし、記者の追及をかわす狙いがあったのだろうが、記者にとっては打ち切られた感が残る。本来ならすべての質問に答えるように助言するのが、危機管理広報のあり方だ」と指摘する。(小早川遥平)

記者会見は、何のために開かれるのか。 記者の追加質問は、なぜ必要なのか。 ジャニーズの会見を振り返りながら、記事後半では専門家たちにも聞き、論点を浮かび上がらせます。

「『ショー』にしてしまった」

 「聞くべき大事な質問がほと…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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