出産前後や小児の医療技術が進み、生まれつき重い障害がある子どもたちの命が、助かるようになった。それとともに、高度な医療的ケアを長期にわたって必要とする子どもたちが増えている。
国立成育医療研究センターが2016年4月、医療的ケアが必要な子どもたちのための短期入所施設「もみじの家」を東京都世田谷区に設けたのは、そんな社会の要請を受けたものだった。
東京都内に緊急事態宣言が発令されていた8月下旬、2階のプレールームに、ベッドに横たわり大きな絵本をじっと見つめる男の子(5)がいた。エリック・カールの「パパ、お月さまとって!」。保育士は、絵本を目の前まで持っていったり、絵を指さしたりしながら、ゆっくり読み終えた。
男の子は人工呼吸器を付けて…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル