ネット業務の突然の方針変更発表、大胆なコスト削減案の提案、異例の人事――。今年1月、NHK会長に就任した銀行出身の前田晃伸会長が次々と新方針を打ち出している。「新しいNHKらしさの追求」を掲げているが、内外から反発や波紋も広がっている。(宮田裕介、黒田健朗、守真弓)
「昨年、上限を定めた時の議論は何だったのか。同時配信の道を開くための方便だったのか」。日本民間放送連盟(民放連)の大久保好男会長は先月17日の会見で、NHKを批判した。
NHKは今春、テレビ番組を放送と同時にネットに流す「同時配信」の開始にあたり、ネット業務に関わる費用を受信料収入の2・5%とする上限を維持するとした。総務省や民放などからの、「民業を圧迫する」といった指摘を踏まえたからだ。
ところが先月15日、NHKはその上限を来年度から撤廃する素案を発表。必要額は今後、中期経営計画で示すという。前田会長は「絶対額で何に使うかを検証した方が、青天井でやりたいわけではないと分かってもらえる」と説明した。
方針転換に、民放各社からは反発が相次ぐ。日テレの小杉善信社長は民放とNHKの二元体制の維持は、協調と競争のうえに成り立っているとした上で「コロナ禍において(広告)収入が大幅に減少している民放と、受信料収入に裏打ちされているNHKでは、競争の大前提が崩れかけている」。フジテレビの遠藤龍之介社長は「突然撤廃されることに関しては少なからず違和感をもっている」と話した。
新たな動きは他にもある。前田…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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