NHK字幕問題、BPOが放送倫理違反の審議対象にするかの討議開始

弓長理佳

 昨年末に放送されたNHK・BS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」に、取材内容と異なる字幕が付けられた問題について、放送倫理・番組向上機構BPO)の放送倫理検証委員会は14日、審議の対象にするかどうか討議を始めた。

 今後、NHKに対して、なぜ不正確な字幕を付けたのか、どのように事実確認をしたのか、といった質問状を送る。NHK側からの回答を踏まえ、放送倫理違反があったかを判断する審議に入るかを決めるという。

 小町谷育子委員長は「なぜ不正確なテロップが出てしまったのか、現時点で分からないことが多いので、事実関係を把握したい」と話した。

 番組は、映画監督の河瀬直美さんらが東京五輪の公式記録映画を製作する現場に密着。匿名の男性を映した場面で「五輪反対デモに参加している」「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と字幕で説明した。

 しかし男性はNHKの取材に対しては「これまで複数のデモに参加して現金を受け取ったことがあり、五輪反対のデモにも参加してお金を受け取ろうという意向がある」と話していた、とNHKは説明。制作した大阪拠点放送局の角英夫局長や前田晃伸会長が13日、それぞれ会見で陳謝していた。

 前田会長の会見では、編成局の番組内容についての危機管理の担当者が「BPOで今回の問題について検証する、報告しなさいということがあれば適切に対応したい」と答えていた。(弓長理佳)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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