NTTドコモの通話料無料プランが悪用された事件で、ドコモが4年半で100億円超のアクセスチャージ(回線使用料)を通信事業者(東京都港区)に支払い、このうち約30億円が電話再販会社「BIS」(同新宿区)に流れていたことが関係者の話でわかった。
愛知県警は20日、BISの実質経営者渡部雅史容疑者(42)ら15人を組織犯罪処罰法違反の疑いで再逮捕し、資金の流れを調べている。
県警によると、BISは通信事業者と契約し、この事業者の回線を使う通話のたびにドコモから支払われるアクセスチャージの一部を、着信手数料として還元させていた。
BISは「かけ放題プラン」を大量に契約し、特殊な機械で通話を繰り返していたという。
関係者によると、通信事業者が大口顧客にアクセスチャージの一部を戻す契約は珍しくないという。
今回の事業者は不正を疑ってBISとの契約を一時解除したり、質問状を送ったりするなどの対応を取っていて、県警は共犯にあたらないと判断したとみられる。
15人の再逮捕容疑は、かけ放題プランで携帯電話120回線を契約。2020年7~8月、規約に反して機械的発信を計約30万回、約7万3590時間にわたって繰り返し、通話料1億9713万円の支払いを免れたというもの。
この事業者は、朝日新聞の取材に「捜査中のためコメントは差し控えるが、当局の調査に全面的に協力している」、ドコモの広報担当者は「捜査に全面的に協力し、事案の全容解明に貢献していきたい」とコメントした。
捜査関係者「いたちごっこ」
愛知県警によると、BIS(…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル