「いやー、思いのほか出ちゃいましたね」
担当者は言いづらそうに切り出した。東京・歌舞伎町でホストクラブ38店舗を運営する巻田隆之さん(47)のもとに、新宿区保健所から電話があったのは6月13日ごろだった。
経営する店のホストら約50人を対象にした、新型コロナウイルスのPCR検査の結果報告。5、6人は陽性かもしれない。そう覚悟しながら「何人ぐらいですか」と聞くと、担当者は答えた。
「28人です」
巻田さんは驚いた。陽性が判明した人のほとんどが無症状だったからだ。
ホストには、手洗いやうがい、消毒を徹底し、マスクを常に着けさせていた。客の飲み物をつくる際のマドラーも、1回ずつ使い捨てるものに切り替えた。にもかかわらず、なぜこれほど感染者が出ているのか。
拡大する新宿・歌舞伎町のホストクラブに勤める男が関与した詐欺未遂事件の家宅捜索では、警視庁の捜査員は新型コロナウイルス対策として防護服を着ていた=2020年9月24日午後6時47分、東京都新宿区歌舞伎町2丁目、田中紳顕撮影
巻田さんが運営に携わる店では、国の緊急事態宣言が解除された5月25日ごろから、体調を崩す従業員が増え始めていた。
「熱が出た」「体調が悪いので休みたい」という相談が1日2、3人から寄せられた。
ホストたちに集団検査を受けさ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル