新型コロナウイルスに感染しているか否かを調べるPCR検査を行うため、東京都医師会が主導して設置してきた「PCRセンター」で、2週間ほど前には40~50%だった「陽性」診断率が、ここ数日では10%を下回るまで大幅に減少したことが9日までに同医師会への取材で分かった。
同医師会は第2波、第3波が発生することを懸念しており、尾崎治夫会長は、「ここで一度コロナの息の根を止める必要がある。そのためにも外出自粛を続けることが重要」と主張し、医療提供体制を整えるためにも気を緩めないことが重要だと訴えている。
陽性率減、「自粛効果表れている」
従来、PCR検査を受けるには保健所を介する必要があった。しかし、保健所職員の業務過多などにより「検査待ち」の患者が多く出たほか、かかりつけ医などの問診の結果(1)嗅覚・味覚かない(2)熱が下がらない――など新型コロナウイルスへの感染が疑われる患者に対して迅速にPCR検査をできないジレンマがあった。
これらを背景に、東京都医師会が独自にPCRセンターを設置する、と記者会見で明らかにしたのが4月11日。同月下旬までに12か所を設置した。中でも初期に設置された新宿区や杉並区のセンターでは1日の検査数が伸びており、新宿では多い日には70件ほどの検査が行われるようになったという。
一定の割合で「偽陰性」
PCRセンターは、誰でも検査を受けられるわけではない。かかりつけ医や地域の医師によって新型コロナウイルスへの感染が疑わしいと判断された場合のみ受けられる。尾崎会長は「始めた当初も今も、『医師が必要と判断した』という意味では検査の基準は同じ。そのうえで陽性率が下がっているのだから、自粛の効果は表れている」と分析している。
検査結果は原則、翌日にかかりつけ医に届き、患者はかかりつけ医から結果を知らされる仕組み。「陽性」と判断されれば、中等症以上であれば病院に入院、軽症なら民間ホテルを使った宿泊療養に入ることができる。いずれも医療的な管理下に置かれるため、体調が急変した際にすぐに対応することができるほか、他の人にウイルスを感染させずに済む。
一方、PCR検査の精度は100%ではなく、本当は陽性なのに陰性と診断される「偽陰性」が一定の割合で出るという。そのため、「『陰性』の結果が出てもかかりつけ医らのアドバイスを受けながら一定期間は自宅で安静にすることが大事」と話す。
東京都医師会には47地区医師会(支部)がある。今後は、受診者が住まいの近くで検査を受けられるよう、都内に40か所ほどの設置を目指している。
都も「陽性率7.5%」と発表
PCR検査の陽性率をめぐっては、小池百合子都知事も8日の記者会見で、同日のPCR検査の陽性率が7.5%だと発表している。
小池知事は会見で、PCR検査の結果が出るのがその時々によって異なると説明したうえで、陽性率について、基準とすべきが検査を受けた日なのか、結果が出た日なのかなど明確な線引きが「厚労省でも定義がない」と指摘。「何回かPCR検査を受ける人もおり、検査の数と人の数は違う。そのあたりを精査していくことによって数値の信頼性を高めていく(必要がある)」と語った。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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