故障のため修理が続いていたJR山口線の観光列車「SLやまぐち号」の蒸気機関車「D51」(愛称デゴイチ)が8月末から今月にかけて試運転を行った。約1年4カ月ぶりとなる姿を見ようと、鉄道ファンや沿線の住民らが駆け付けた。復活への期待が高まっている。
試運転で1年半ぶりの雄姿
7日午前11時40分ごろ、島根県津和野町の名賀(なよし)付近。「ポーーーーー」と汽笛を大きく鳴らし、黒煙を噴き上げ、D51が地福駅(山口市)に向けて疾走した。客車とディーゼル機関車を力強く引く雄姿を、集まった20人ほどのファンがカメラに収めていた。近くに住む板垣福末さん(85)は「ここで子どもの頃からSLを見てきた。自分はデゴイチとほぼ同じ年なので、頑張っている姿を見ると励みになる」と話した。
試運転をしたのは「D51形200号機」。全長20メートル、重さ125トン。1938年、旧国鉄浜松工場(浜松市)で製造された。「SLやまぐち号」として、「貴婦人」と称されたC57とともに観光列車を長年牽引(けんいん)してきた。だが、2022年5月3日、石炭や水を積む炭水車に亀裂が見つかり、京都の梅小路運転区で修理が続いてきた。
JR西日本中国統括本部によると、蒸気機関車に詳しい技術者が社内におらず、修復の方法や材料を慎重に検討し、時間がかかっていたという。
修理を終えたD51は8月17日、電気機関車に引かれて新山口駅に帰還。31日から今月8日までの計5日、新山口―津和野間で試運転をした。炭水車の状態を点検したり、客車を安全に牽引できているかを確かめたりした。
後ろ向きSL 珍しい光景
6~8日は津和野―地福間を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル