SMBC日興証券(東京都千代田区)の複数の社員が、特定の銘柄の株価を維持するために不正な取引を繰り返した疑いがあることが、関係者への取材で分かった。証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(相場操縦)容疑の関係先として今年6月に同社本社を強制調査し、東京地検への告発も視野に調べている。
関係者によると、監視委が調べているのは、SMBC日興が昨年ごろに複数の銘柄について仲介した売買取引。大株主らから大量の売り注文を受けた際、株価が大幅に下落するのを避けるために同社が立会時間外で株を買い取り、売却先を見つけて売り出す取引だという。
同社の複数の社員は、見つかった売却先との取引が成立するまで株価を維持させるため、市場で不正な買い注文を繰り返して株価を買い支えた疑いが持たれている。社員らは監視委の調査に取引の違法性を否定しているという。
同社は2日、監視委の調査を認めたうえで「調査に引き続き協力していく。お客さまらにご迷惑をおかけし、心よりおわびする」とコメントした。同社は三井住友フィナンシャルグループの完全子会社で、今年3月期の純営業収益は約3579億円。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル