SNSで知り合った初対面の女性を本人の依頼で殺したとして、嘱託殺人罪に問われた北島瑞樹被告(22)=埼玉県入間市=に対し、東京地裁は6日、懲役5年(求刑懲役7年)の実刑判決を言い渡した。井下田英樹裁判長は「事情を深く知りもせず軽々しく自殺に関与することが(被告の言う)人助けであるはずはなく、非常に悪質」と述べた。
被告は公判で「自殺志願の人たちの役に立ちたかった」と説明したが、判決は、別の相手とは金銭交渉とうかがわれるやりとりもあり、供述に疑問が残ると指摘。殺害を正当化する事情は見いだせない上、遺体を入れる布団の圧縮袋を用意するなど計画性は高く、嘱託殺人のなかでも重い事案だと結論づけた。
判決によると、大学4年だった北島被告は昨年7月中旬に教員試験に失敗して自殺を考え、ツイッターで自殺志願者の投稿を見るうち「手伝う」と多くの人にダイレクトメッセージを送るようになった。8月中旬には持病に苦しんでいた30代女性から依頼を受け、殺害の方法や場所を相談。9月12日午後5時50分~7時45分ごろ、東京・池袋のラブホテルで、両手でこの女性の首を絞めて窒息死させた。(阿部峻介)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル