「これ、うちの実家だよね」
土石流発生の7月3日、東京都日野市の酒井真理乃さん(65)は息子に、ツイッターで拡散された土石流の動画を見せられ、あぜんとした。「何これ……」。動画には母の太田佐江子さん(当時93)と弟の幸義さん(同64)が同居する家が土砂にのみ込まれ、流される瞬間が映っていた。
2人の携帯電話を何度も呼び出したが、つながらない。「どうか無事でいて」。その一心で市役所に何度も問い合わせたが、情報はなかった。いてもたってもいられず、2日後、夫と熱海市へ向かった。
「母がうちに残っている」
現地に着いて高台から見下ろすと、家は跡形もなく、「真っ平らになっていた」。酒井さんは災害の発生前日にも佐江子さんに会いにきており、昨日まで自分のいた場所がなくなっていたことを「現実として受け止められなかった」と振り返る。
土石流発生当時、近所の住民…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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