愛知県春日井市のラーメン店で男性店員が殺害され、現金約250万円が奪われた事件で、県警は29日、この店の元従業員の宮地良多容疑者(27)=春日井市牛山町=を強盗殺人容疑などで逮捕した。
県警は28日、宮地容疑者から任意の事情聴取をしていたが、宮地容疑者が途中で帰宅を要求し、捜査員が説得を続けていたが、振り切って逃走。県警が逮捕状を取って全国に指名手配していたところ、大阪府岸和田市内で張り込んでいた捜査員が見つけ、取り押さえた。宮地容疑者は容疑を認めているという。
県警によると、亡くなったのは同市高山町2丁目の「豚旨(とんこく)うま屋ラーメン春日井朝宮店」従業員の荻原典章さん(35)。24日朝、店内で頭から血を流して倒れているところを発見された。死因は鈍器で頭部を殴られたことによる脳損傷で、別の男性店員(39)も頭や顔などに重傷を負った。
県警は、金庫に連休中の売り上げを保管していたことなど、犯人が店の内部事情を知っていた可能性もあるとみて捜査を進めていた。その過程で今年8月末に退職した宮地容疑者も対象になり、捜査員が27日に大阪府内の実家に帰っていた宮地容疑者に連絡を取り、午後1時50分ごろから府内の警察署で任意で事情を聴いた。
その結果、アリバイに不審な点があり、詳しく事情を聴くため、県警春日井署に移動。28日午前3時45分ごろから再聴取を始めた。休憩を挟みながら進めていたが、宮地容疑者は午後8時ごろに「任意なら帰らせろ」と訴え、庁舎外に出て歩きだしたという。
当時、捜査1課の捜査員2人が担当していたが、1人は報告のため席を外しており、残る1人が聴取に応じるよう説得しながら約6時間にわたって徒歩で追跡した。しかし、29日午前2時ごろ、約15キロ南の名古屋市熱田区の名鉄神宮前駅付近で宮地容疑者が急に走り出し、振り切られた。
県警によると、取調室内での携帯電話所持は内規で禁止されており、追跡した捜査員は携帯電話を持っておらず、すぐに連絡できなかった。29日未明に近くにあった交番から現在地を知らせたが、合流できなかったという。ほかの捜査員は捜索を続けていたが、発見できなかった。
県警は29日午前4時ごろ、府内にある宮地容疑者の親族宅などを家宅捜索し、店から盗まれたとみられる現金約195万円を発見。強盗殺人容疑などで逮捕状を取り、29日午後5時前、全国指名手配に踏み切ったという。
Article Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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