聞き手・平井恵美
性自認や性的指向について侮辱される「SOGI(ソジ)ハラ」を職場で受けてうつ病を発症した40代の会社員が、神奈川県内の労働基準監督署から労災認定されたことが分かった。ハラスメントに詳しい神奈川県立保健福祉大の津野香奈美准教授(社会疫学)に、SOGIハラをめぐる実態や被害を防ぐための対策について話を聞いた。
――SOGIハラだけで労災認定されることは珍しいのでしょうか。
「知る限りでは非常に珍しいと思います。2020年施行の改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の指針で、性的指向・性自認に関する侮辱的な言動に加え、本人の許可を得ずに本人の性的指向や性自認を言いふらす『アウティング』などの行為はパワハラにあたると明記されました」
「ただ、SOGIハラをパワハラと理解している管理職らはまだ少ない。今回の労災認定で、SOGIハラもパワハラで、SOGIハラだけでも労災認定されると認知されるのは社会的インパクトが大きいと思います」
――法改正で企業側に防止措置も義務づけられましたが、状況は改善していますか。
「実効性のある対策ができて…
Think Gender
男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment