瀬戸内7県を拠点に活動するアイドルグループ「STU48」。4枚目のシングル「無謀な夢は覚めることがない」が発売され、新キャプテンに今村美月さん(19)が就任するなど、今年も進化が止まらない。メンバーたちと瀬戸内各地の魅力を紹介する「瀬戸リスト」。今回は、今村さんと兵頭葵さん(19)が、古くから造船の歴史がある広島県呉市の倉橋島を訪れた。
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まず、やって来たのは、「桂浜(かつらがはま)」という砂浜だ。兵頭さんは「高知の桂浜なら行ったことがありますが、ここは初めてです。細長いところが似ていますね」と興味深げだ。
浜の北西の端には、江戸時代中期に造られたドック跡がある。「え~、めっちゃ古い」と驚く2人。ボランティアガイドの柳井敏弘さん(78)が「日本最古のドックなんですよ」というと、兵頭さんは「ドックって何ですか?」。
柳井さんが解説する。「満潮の時に船を入れ、潮が引いて船が底に座ると、海との間を大きな木で閉じて、中で修理などの作業をしたのです」。今村さんは「頭いい~」と感心した様子。造られた当時、一般には、砂浜で船を造っていたが、効率を考えてドックが造られたそうだ。ドックは石垣で囲まれている。
「石は江戸時代のものですか?」(今村)
「昔はどれくらい深かったんですか?」(兵頭)
「外国から来たやり方ですか」(今村)
劇場船「STU48号」で公演をして回り、船が身近にあるからだろうか、2人はドックについて興味津々だ。
桂浜の歴史はさらに古い。柳井さんは「桂浜は万葉集に8首も詠まれています。今も当時と同じように、白砂青松の姿が残っています」と教えてくれた。
桂浜の名前は知っていたという今村さんは「きれいな浜だろうと想像していましたが、そんなに歴史があるとは」。柳井さんが「そこに落ちている松ぼっくりは、飛鳥時代のDNAを持っていますよ」と言うと、今村さんは「じゃあ、持って帰ろうかな」と拾い上げた。
日本最古のドックを見学した2人は、約300メートルの桂浜(かつらがはま)を南東の端まで歩き、「長門の造船歴史館」に到着。倉橋島では約1400年前、遣唐使船が造られたという説もある。その造船史が学べる施設だ。
まず、実物大に復元した遣唐使船を見学。長さ25メートル、幅7メートルの朱塗りの船体で、1989年に開催された「海と島の博覧会・ひろしま」の展示のため、地元の船大工の協力で造られた。
2人は遣唐使船に乗り込み、ボランティアガイドの柳井敏弘さん(78)の説明を聞いた。小さな船だが、150人ほどが乗って航海したと聞き、「そんなに!」と驚いた。
「船体の外に張り出した足場に立って、櫓(ろ)をこいで進んだのですよ」との説明には、「こわ~い」と声をそろえた。
STU48の今村さんと兵頭さんが広島を旅する写真の数々がこの後に。
展示室には、古代から現代まで…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル