年末年始をふるさとなどで過ごした人たちのUターンが3日、ピークを迎えた。とはいえ、新型コロナウイルスの感染拡大で、JR東京駅では到着する新幹線に空席が目立った。
JR各社によると、東海道、上越の各新幹線の自由席乗車率はこの日、最大で90%どまり。東北・山形新幹線では最大65%だった。昨年のUターンピーク時は、東北、上越新幹線で160%、東海道新幹線で140%だったという。
妻と子3人と名古屋駅から乗った東京都江戸川区の会社員(40)は「指定席でも、直前に乗る列車を変えられた。普段の年末年始なら考えられない」と驚いた。12月26日から大阪と名古屋の実家を訪ねた。「直前まで迷ったが、春も夏も帰省できなかったので今回は気をつけて帰った。親を孫と会わせることができた」と喜んだ。
広島県に戻る娘と孫3人を見送りに来た中野区の女性(70)は、大みそかに活動を休止した人気アイドルグループ「嵐」の無観客配信ライブを孫と一緒に見たという。「孫たちと1年ぶりに会えた。すごく成長していた。ただ家で過ごしていたとはいえ、感染が少し心配」
首都圏の4知事が緊急事態宣言の検討を国に要請したことについて「お年寄りや疾患のある人のためには必要だが、元気に働いている人は生活の息の根が止まってしまう。難しい判断ですよね」と話した。(根津弥)
大阪(伊丹)空港でも3日、例年のような混雑は見られなかった。埼玉の実家に帰省したという大阪市の会社員男性(28)は、「両親に1年半ぐらい会えておらず、『来てほしい』と言われて。会って安心できました」。東京の実家で1週間ほど過ごした同市の会社員女性(25)は、4日が仕事始め。「あまり友人にも会えず寂しかった」と話した。
日本航空によると、先月25日~今月2日の関西空港発着の国内線の搭乗率は30%前後。JR東海によると、東海道新幹線の3日の始発から午後4時までの自由席乗車率は、新大阪駅発着の上下線で数%~60%で、昨年同時期の最高130%より大幅に減少した。
高速道路でも目立った渋滞見られず
年末年始をふるさとや行楽地で過ごした人たちのUターンで3日、高速道路では目立った渋滞は見られなかった。
日本道路交通情報センターによると午後5時半までで、最大は関越道上りで、高坂サービスエリア(埼玉県)付近から約20キロの渋滞。例年のような30キロ以上の渋滞は発生しなかった。
東名高速道路の東京料金所(川崎市宮前区)を午後3時前、上空から取材すると、上り車線の車はまばらで、渋滞はしていなかった。(長島一浩)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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